10年債利回りが3%に乗せる動きを見せたため、金ドルは新しい取引週を少し後退してスタートしています。今週は経済指標が比較的少ないため、金価格は金曜日に発表される新しいインフレデータまでの間、米ドルの取引パターンに影響を受ける可能性があります。
では、今週の米経済イベントを確認しておきましょう。
注目の米国経済データ
6月9日(木)21:30 // 新規失業保険申請件数
[コンセンサス予想:20.6万件 // 前回:20.0万件]
6月のFOMCを来週に控えているため(今週はFRB関係者の出席がないのはこのためです)、4月末の再加熱以来、週20万人台で推移している失業保険申請件数には少し注意が必要でしょう。基本的に投資家やアナリストは、先週発表された予想を上回る5月の雇用統計によって示された米国の労働市場の継続的な改善が6月にも続き、FRBが夏にかけて50ポイントの連続引き上げを継続できるかを確認するために注目することになりそうです。春先からそうであったように、この数字が期待外れであることは金スポット価格にとってプラスに働く可能性が高そうです(投資家の見通しが不透明であり、端的に言えばFRBの利上げ路線が制限される可能性を示唆しているから)。逆に、申請件数が+17.5万件に近づけば金価格が軟化する可能性もありそうです。
6月10日(金)21:30 // 5月 消費者物価指数(CPI)
コアCPI コンセンサス予想: +5.9% YoY // 前回: +6.2%]
ヘッドラインCPI コンセンサス予想: +8.3% // 前回: +8.3%]
先週の労働市場に関する最新情報は、FRBがインフレ抑制のために積極的な金融引き締めを継続しても、景気後退の最も直接的な警告を発することはないだろうという見通しを示すものでして。それでも、市場関係者や観測筋は皆、景気減速という危険な作戦が成果を上げていることの証拠を見たいと考えている。CPIが予想通りであれば、インフレ抑制の兆しが見 えるはずです。ヘッドラインは4月のデータから前年同月比で横ばいと予想されますが(前月比では顕著に上昇)、変動の少ない「コア」インフレ率は前月比、前年同月比で低下すると予想されます。この動きは積極的なものではなさそうですが、6%台から5%台への下落は、投資家の注目を集め、ヘッドラインを生み出すのに十分かもしれません。そのため、オンザマネー以上の数値は、金曜の金相場にとって逆風となる可能性が高そうです。なぜなら、インフレ圧力の弱まりを示すと同時に(その懸念が伝統的に金買いを促進する)、Fedが2023年まで利上げを継続する計画を確認することになるからです。一方、5月の消費者物価指数に失望した場合、インフレヘッジとしての金の需要が復活するため、金のバリュエーションにはプラスに働くと考えられます。
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