ウクライナとその侵略者であるロシアとの間の最新の交渉が平和的な実りをもたらすという楽観論が再び高まったことにより、金は上昇一服となり弱含んでいます。このため、株式市場もまちまちの結果となっています。同時に、戦争のニュース前後で原油が非常に不安定な状態が続いたため、原油価格の下落も引き起こしています。
それでは、今週の経済カレンダーの残りを見てみましょう。
注目の米経済指標
3月16日(水) 21:30 // 米国小売売上高(2月)
[コンセンサス予想:前月比+0.4% // 前日比:+3.8%]
小売売上高は金市場の方向性や速度に直接影響を与えることはほとんどありませんが、米ドルの勢いを促進することができ、その結果(特にここ1年ほど)金価格に下押し圧力(米ドルが上昇するため)または貴金属に上昇のきっかけを与えます(米ドルが弱くなるため)。アナリストらは、年初に大きく上昇した米国の小売売上高の伸びが、2月には緩やかになると予想しています。1月の小売売上高が季節的・会計的要因で予想以上に高かったため、2月の小売売上高は妥当と思われ、市場の反応はそれほど大きくないかもしれません。しかし、小売売上高の減少によって投資家のコンセンサスムードが少し損なわれる可能性は常にあり、その場合は米ドルを少し弱含み、ゴールドに追い風となる可能性もあります。もちろん、この数字がまた驚くようなパフォーマンスであれば、金には逆効果になる可能性が高いことも意味しています。
3月16日(水)27:00 // FOMC 政策金利発表
[FOMCでは+0.25%の利上げを発表すると予想されています。]
投資家やアナリストは、2022年の年明け前からこの日に注目してきました。ここ数週間、米国では依然として高いインフレ率が続くため、FRBは通常の+0.25%ではなく+0.50%の利上げという型破りな手段を取らざるを得ないのではないかとの声が高まっていましたが、パウエル議長が今月初めの議会証言で、3月の会合で初めて利上げを行う可能性をほぼ否定しています。もちろん、頑強なインフレ圧力が今年後半にそのような積極的な動きをもたらす可能性がないわけではなく、議長の会合後の記者会見と発表される最新の経済予測は、中央銀行がそのような行動を取る可能性や、FRBの「従来の」最速ペースである連続して利上げする手がかりとして詳細に分析されることになるでしょう。また、パウエル議長が、ウクライナ戦争がFOMCの計画と予測にもたらす潜在的な下振れリスクをどう見ているかについても、Fedウォッチャーや投資家は非常に興味を持つところです。理論的には、0.25%引き上げの発表は、金価格にとって非常にネガティブなシグナルとなるはずです。しかし、FRBがすでに今年の大半に わたって利上げを予告していることから、市場はこの最初の利上げを現在の金相場 に織り込み済みと見ている可能性がゼロとは言い切れません。パウエル氏の記者会見では、マネーマネージャーやトレーダーが金価格に直接影響を与えるドルや国債のポジションを揺さぶり、場合によっては金にも直接影響を与えるため、ボラティリティが大きくなることが予想されます。
3月17日(木)21:30 // 新規失業保険申請件数
[コンセンサス予想: 22.0万件 // 前回:22.7万件 ]
週次の失業保険申請件数の数字は今のところ安定し、20-25万人の間で粘りを見せています。その結果、週単位ではこの数字に対する市場の反応はまだあまり見られず、金融政策およびそれに伴う金価格への影響ができるような新しい情報もあまりない状態です。そして、今週はそのすべてが変わることはないと思われます。しかし、FOMCでFRB議長が2022年までの利上げのタイミングや頻度を決定する要因として、米国の労働市場の強さに特に注目した場合に備えて、新規失業保険申請件数は注目する必要がありそうです。その場合、新規失業保険申請件数に対する投資家の注目度はここ最近で最高となり、金とドルのボラティリティにつながる可能性があります。
今週はこのようなイベントに注目が集まります。
金先物の分析は動画で配信していますのでご参考になれば幸いです。
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