金価格は先週の下落を引き継いで4月の最終取引週を迎えている。
とりあえず、週後半の米国経済カレンダーを見てみよう。
注目の米国経済データ
4月28日(木)21:30 // 実質国内総生産(GDP速報値、2022年第1四半期)
[コンセンサス予想:前期比+1.0% // 前回:+6.9%]
2022年第1四半期のGDP成長率の最初の「推定値」は、エコノミストやアナリストによって、2021年第4四半期に記録された好景気から大きく後退した成長率を表すと予想されていることがわかります。このような落ち込みを説明する循環的な要因はいくつかありますが、非常に影響力のある要因は、2四半期連続で同様の大きな経済成長の波及をもたらすことは、よほどのことがない限り困難であるという単純な事実です。1~2%という数字が数週間前からコンセンサスとなっており、間違いなく資産価格に織り込まれていたとしても、木曜日のGDPが発表されれば、何らかの「ステッカーショック」が起こる可能性があり、それによって投資家がリスクオフのスタンスに逆戻りすることになります。理論的には、これは安全な避難所としての金にとって好材料となり得ますが、先週の教訓から、この場合、金にとっての真の決定要因は、投資家が安全への逃避のために国債利回りを上げ続けるかどうかにあり、現時点では、金価格の新しい上昇力を弱めているようです。
4月28日(木)21:30 // 新規失業保険申請件数
[コンセンサス予想:+18万件 // 前回:+18.4万件]
今週の新規失業保険申請件数は、5月のFOMCとそれに伴う利上げ(と推定)前に、米国の労働市場における「雇用の増加」対「雇用の減少」の推定に相当する最後の件数となります。木曜日の発表の前後で、金やドルの価格が大きく変動することはないと思われますが、今週のタイミング、特に金のチャート、またはその時に起こっているかもしれない何らかのラリーが微妙な位置にある場合、意識する価値のあるポイントであることに変わりはありません。残念ながら、金相場の過剰なポジションを持っている人にとって、歓迎されない週次失業率の上昇は、現時点では、金にとって逆風となる可能性が高いです(それはおそらく、何よりも先に金利やドルのもう一段の上昇につながるためです)。
4月29日(金)21:30 // PCE価格指数(3月)
[コアPCE コンセンサス予想:前年比+5.3% // 前回:+5.40]
[ヘッドラインPCE コンセンサス予想: +6.7% // 前回: +6.35%]
通常、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として推奨しているPCEデータの発表では、CPIやPPI、PCE価格指数に反映されるその他の物価変動が既に発表されているため、市場や観測筋は何を予想するか分かっています。この週明けの発表で金相場が乱高下することはないでしょうが、賢いトレーダーは来週のFOMCを前に最後のカーブボールに備えてレーダーを張り巡らせておくでしょう。