金相場は、米国債利回りの一時的な上昇によって不安定な月曜日を乗り切ってNYタイムは緩やかに上昇した。
WTI原油の100ドルへの回復をきっかけに、金価格が上昇したため、少なくとも今週初めは、ウクライナ戦争が主要商品に与える影響は大きいものと思われます。
今週の米国経済指標カレンダーを見てみましょう。
注目の米国経済データ
4月5日(火)23:00 // ISMサービス指数(3月)
[コンセンサス予想:58.4 // 前回:56.5]
今週のデータカレンダーは非常に軽く、金市場(他の主要商品、ドルインデックスとともに)は、一方でウクライナ戦争をめぐる動き、他方でFRBとその利上げ路線に関するコメントや報道から押し引きされやすい5日間となりそうです。先週の製造業は、ロシアのウクライナ攻撃によって一方的に引き起こされた供給制限のピンチを世界経済が初めて実感する月となり、予想された成長ペースをわずかに下回る結果となりました。火曜日に発表されるISMデータで示される米国経済のサービス部門拡大には、それほどの悪影響はないと予想されます。しかし、市場が取引するための他のニュースがほとんどない場合、サービス指数の測定値が少し低くなり、先週と同じようにセミハイパーボリックな報道がなされれば、金価格を一時的にでも上昇させるに足るリスクオフ衝動が起こるかもしれません。米国経済に関するPMI測定値は歴史的に見ても非常にポジティブなので、サプライズが発生しても、逆の反応(金価格が下落)を期待する気はあまりないのですが、金価格が上昇している場合、そのような反応は期待できません。
4月6日(水)27:00 // FOMC議事録
アナリストやFRBウォッチャーは水曜日、通過したばかりのFOMC議事録を解析し、次回(5月)の会合に関する有益な手がかりを探すでしょう。パウエル議長による重要なコメントを含む主要FOMC参加者の多忙な公式発言により、投資家や資金運用担当者は、5月の会合での2回目の連続引き上げが可能であるだけでなく、中央銀行の初期シグナルが十分にインフレ率を下げ始めていないと感じれば、0.50%の「ダブル引き上げ」も視野に入ることが極めて明確になったといえるでしょう。5月に50bipsの可能性があるかどうかの大きな手がかりは、議事録からFRBが3月の2回目の引き上げにどれだけ近づいたかを確認することでしょう。欧州から市場の注意をそらすような大きなヘッドラインがない限り、議事録の発表前後に金価格が急変動することが予想されます。金チャートに長期的な変化を与えるという点では、最近の例で言えば、金利上昇の可能性の増減によって金の軌道が影響を受けるというよりも、議事録でFRBがインフレをより強く懸念していると示されれば、ヘッジャーから再び強い追い風を受ける可能性があります。
今週のFedSpeak
ウィリアムズ米連邦準備制度理事会(FRB)議長とブラード米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、市場が3月のFOMC議事録を閲覧する機会を得た後に何を言うのか、今週の取引には週明けの発言よりもインパクトがありそうです。それでも、投資家は2022年第2四半期にFRBがさらに積極的に金融引き締めを行う可能性がどの程度あるのかをモデル化しようとするので、これらすべてが市場の注目を集めることになりそうです。
火曜日 ブレイナードFRB総裁(FOMC投票者)(日本時間午後11時)、ジョン・ウィリアムズNY連銀総裁(FOMC投票者)(同午前3時)
水曜日 パトリック・ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(非投票者)(午後1030)
木曜日 ブラード・セントルイス連銀総裁(FOMC投票者)(午後10時)、ボスティック・アトランタ連銀総裁(非投票者)(午前3時)、ウィリアムズNY連銀総裁(午前5時)
今週はこのような展開になりそうです。
こちらの動画もご参考になれば幸いです。
→ 金先物・分析動画