金相場に与える今週後半の経済指標

今週のNY金は売り優勢、大阪金はドル円の上昇により買い優勢の展開となっています。

とりあえず、今週後半の経済カレンダーを確認してみましょう。

注目の米経済指標
3月30日(水)21:15 // ADP雇用報告

[コンセンサス予想:+45万人 // 前回:+47.5万人]

今週末に配信される月次労働市場データを全体として見ると、堅調な結果が予想されるが、年初から月ごとに見られるような大きな改善ではないため、数字に対する市場の反応はより穏やかになる可能性があります。理論的には、ADPが発表する民間新規雇用者数に対する市場の反応は、常に少し控えめになるはずです。なぜなら、水曜日の数字と金曜日のNFPの間には、多くの人が信じているような相関関係がないからです。このような合理性は、ADPの数字の良し悪しに過剰反応する投資家を止めるには至っておらず、最近のFRBのコメントで米国の労働回復に注目が集まっていることが、この状況を悪化させる可能性があります。普段からそうであるように、ここでは方向性よりもボラティリティに注目するのが最善です。

3月31日(木)21:30 // 2月 PCE価格指数

[コアPCE コンセンサス予想:前年比+5.5% // 前回:+5.21%]

[ヘッドラインPCE コンセンサス予想:前年比+6.4% // 前回:+6.06%]

市場は既にCPI、PPI、その他FRBのPCE指数に反映されるインフレ指標を見て消化しているため、このデータセットが今週我々に伝えるべきことは、FOMCが3月の会合以来繰り返し伝えてきたこと、すなわちインフレが十分高い状態が長く続き、中央銀行は(2021年のように)自然に低下するのを待つのではなく、インフレに対して行動しなければならないこと、またFRBの利上げ(およびその他の手段)が定着するまで高止まりが続くであろうことです。予想を上回ったり下回ったりするような本当に驚くような変動がない限り、金価格、米ドル、その他の注目資産はこの発表までスムーズに取引されるはずです。

3月31日(木)21:30 // 新規失業保険申請件数

[コンセンサス予想:+20万人 // 前回:+18.7万人]

先週の失業保険申請件数は1960年代後半以来の低水準となり、アナリストや投資家を驚かせたが、このニュースに対する市場の反応は、FRBとウクライナ戦争への注目でほとんど打ち消されました。アナリストは今週、(予想される)20万人への緩やかな回復が実現するか、あるいはさらに低い数字になるかどうかを見守ることになります。後者の場合、投資家のリスクオンのシグナルとして、またFRBの積極的な引き締めへの示唆として、おそらく金価格にとって中程度の逆風になるでしょう。

4月1日(金)21:30 // 3月雇用統計

[(NFP)コンセンサス予想:48.0万人 // 前回:67.8万人]

[失業率 コンセンサス予想:3.7% // 前回:3.8%]

3月のFOMC後、パウエルFRB議長は、米国の労働市場の回復が続くことは、米国経済全体がインフレ抑制のために必要と考える積極的な利上げ路線の圧力に耐えるためにいかに重要であるか。この機能を通じて、金市場の観点からは、強いNFPの数字は、FRBが次回の会合で+0.50%のダブルムーブで利上げする可能性を示す他の指標と同じになると予想するのが妥当であると考えます。つまり、金相場にとっては弱気のシグナルとなる可能性が高まります。

4月1日(金)23:00 // 3月 ISM製造業景況指数

[コンセンサス予想:59.0 // 前回:58.6]

今週は、製造業の成長を示す重要な指標である製造業景況感指数に注目が集まります。経済学者やアナリストは、米国の景気回復(主に利上げ前)のモデルとして、産業部門が好調なペースを維持していると予想しており、株式市場がネガティブな反応を示したとしても、利上げへの意欲はまだ十分にあると見ています。

今週後半はこのような展開になりそうです。

こちらの動画もご参考になれば幸いです。
→ 金先物・分析動画

learncycletrading
Author: learncycletrading
商品先物・FX・株価指数で独自テクニカル分析(サイクル分析、フィボナッチ分析、プライスアクションなど)・資産管理手法を用いて相場分析を行っています。

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