金相場 今週の動向とまとめ


今週、金相場は最悪の地政学的リスクの追い風に乗り、1900ドル/オンスを大きく上回るポジションを固めただけでなく、週末に向けて上昇を続けました。

さて、今週はどのような一週間だったのでしょうか。
金融市場は、ウクライナや欧米、ロシアの権力中枢から発信されるヘッドラインの流れに翻弄され、様々な政府の制裁や脅しが行き交う中で、その形を変えてきました。ウクライナでの紛争が深刻化するにつれ、投資家の心や市場に新たな不安や不確実性をもたらしていることは間違いありませんが、その結果、世界第11位であるロシア経済が孤立していることも市場に波及しています。ロシアの銀行がSWIFTのアクセスから切り離され、ロシア国外の銀行に預けられているロシアの外貨準備の3分の2へのアクセスが事実上不可能となり、中国もロシアへの支援に消極的になっていることが確認され、週明けの為替市場は一進一退の動きとなりました。

米国および海外の株式が週の大半を一貫して下落したため、ロシアの侵攻に対する反応として、商品全般の値動きが最近で最も大きな週の1つとなりました。ロシア産原油の購入を敬遠する企業が増えているため(制裁措置がない場合でも)、世界の他の地域で生産された原油にプレミアムがつき、WTI原油は1バレル=110ドルを超える水準で推移しました。

一方、金価格は、複数の積極的な追い風の恩恵を受けています。ロシアの中央銀行に対する制裁により、現物の金保有がロシアの実行可能な金準備の中で非常に大きな割合を占めるようになり、この緊張感(およびロシアが金を使用可能な資金に変換する必要がある場合、その方法と時期に対する注意)は、投資家が週半ばに楽観的な見方を示し、その日の株価が上昇した際でも金の水準を維持しました。東欧での長引く戦争への懸念と、一貫して高いインフレ(特に米国)への懸念が根底にあったため、金の価格チャートは1900ドルを大きく上回りました。

そして、金相場は週明けに大胆な上昇を遂げました。木曜日の夜、欧州最大の原子力発電所周辺での激しい戦闘が報じられると、抵抗線となりうるものさえも壊し始めました。安全への逃避が本格的に始まり、今度は債券価格が急上昇しました。ベンチマークである米10年物利回りは1.7%に向かって急落し、金曜日の夜明けとともに、侵攻したロシア軍が新たに前進したというニュースが米国の取引所に届くと、金価格は上昇を始め、ニューヨークの株式市場が開く前に1オンス1950ドルを軽く突破しました。

金の上昇は、今週の市場で起こったことだけではなく、当面の未知なる未来に対する懸念が原因であることも確かです。

市場が週明けに近づくにつれ、ウクライナでは戦争がほぼ無制限に続き、NATOと米国国務省からのレトリックがより攻撃的なトーンになっているため、投資家とマネージャーは、金融マーケット が週明けに再開したときにどのような状態になるかがわからず、現金や金のような安全資産でポジションを築くことによってできる限りの準備をしています。

なお、金曜日の米雇用統計もパウエルFRB議長のガイダンスも今週の相場を大きく動かすものではありませんでしたが、ここで触れておくことにします。

金曜日の米国非農業部門雇用者数は、2週連続で予想を大きく上回り、ヘッドラインが40万人近くの予想に対し結果は67万8000人に達しました。これは、オミクロンの高騰後の米国労働市場の力強い進展と、より広範な雇用回復を示すものです。このデータによって、数週間後のFRBの利上げ期待が固定化されると思われます。
もちろん、パウエル議長は半期に一度の議会証言で3月利上げをほぼ確約しただけでなく、米国経済で高まっているインフレ圧力に対抗するには中央銀行がもっと早く行動すべきだったとの考えを示したため、もはやそれ以上の質問はありませんでした。

しかし、プロテクションを求めて金を購入した投資家やマネージャーのうち、週末までにそれを手放そうとする人はほとんどいなかったため、いまのところ、週明けに金の上昇に対して幅広い利益確定が行われる可能性はかなり低くなると思われます。


にほんブログ村 先物取引ブログ 商品先物へ

金先物の分析は動画で配信していますのでご参考になれば幸いです。

YouTubeチャンネルを毎日配信中です。
>> YouTubeチャンネル「すーぱーぶるちゃんねる」


▼LearnCycleTrading公式LINE▼
(LINE ID検索 @923rdtqh)
公式LINEのお友だち追加で、LINE限定レポート「トレードテクニックの構築」をプレゼント中! また、LINEお友だち限定YouTube動画も配信する予定です。

友だち追加


learncycletrading
Author: learncycletrading
商品先物・FX・株価指数で独自テクニカル分析(サイクル分析、フィボナッチ分析、プライスアクションなど)・資産管理手法を用いて相場分析を行っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です