金相場 先週の動きを振り返る


金価格は、22日の週明けの価格に比べて非常に割安な水準で取引されました。
木曜日の夜、スポット価格が1800ドルという重要なサポートレベルを回復するための追い風が吹いていましたが、冬を前にして世界の一部で発生した新型コロナの変異株による潜在的な脅威に関する懸念が広がり、世界中の投資家が積極的なリスクオフに動いたことで、その効果は消えてしまいました。

さて、先週はどのような週だったでしょうか。

予定に先立ち、月曜日の記事では、静かな休日の中で金にとって最大のマーケット・ムーバーを取り上げました。
市場では、バイデン・ホワイトハウスがジェローム・パウエルをFRB議長に指名するというニュースが事前に伝えられましたが、これは米国および世界経済の近・中期的な進展にとって最も安定した決定であると市場は受け止めました。
しかし、実際にはそのような状況になる可能性はほとんどなかったにもかかわらず、特に米ドル市場では強い反応が見られ、ヘッドラインが通過するや否や米ドルが急騰しました。
そのため、金スポット価格は下落し、10年債利回りは直近のピボットである1.6%を超えて上昇しました。

月曜日、海外市場が自国の国債市場の価格設定を通じてパウエル氏のニュースを処理する機会を得たため、ゴールドへの圧力が再開され、金スポット価格は数週間ぶりに1800ドル/オンスを下回りました。
金スポット価格は、火曜日にはなんとか支持を得て、落ち着きを取り戻しました。
そこからは、感謝祭を控えた米国での取引が少なかったこともあり、金のチャートは滑らかになりました。
債券利回りの急上昇に価格が敏感に反応していることを示すいくつかの動きがありましたが、全体的には米国の休暇中、金は1790ドル/オンス前後で安定していました。

金および他の資産が比較的動かなかったこの期間には、その週の最も重要な経済データの発表がありました。

10月の米国の消費者は、物価の上昇におおむね左右されない様子で、個人消費は前月比1.6%増となり、先週の小売売上高の好調さと一致しました。
FRBが独自に算出した米国経済のインフレ率は予想通りの結果となり、今回はこの数字の上昇に市場が膝を打つような反応はありませんでした。
今週の11月の雇用統計に向けた強いシグナルとして、新規失業保険申請件数は20万件を下回り、50年以上ぶりの低水準となりました。

そして、金曜日の市場は、月曜日の朝のエネルギーに匹敵するものとなりました。
木曜日に始まった、アフリカ南部でコヴィド-19の新種が急増しているとの報道は、金融市場を大きく動揺させ、それ以外の場合は落ち着いたセッションになっていました。
アジアと欧州の株式市場が大幅に下落し、それに対応して債券価格が上昇して利回りが低下し、金のチャートに週初からの兆候が現れました。
金のスポット価格は欧州の取引時間中に強く上昇し、一時1810ドル/オンスを超えました。

しかし、週明けの米国取引開始後、債券価格の上昇が加速し、金曜日には金を含むほぼ全ての主要資産クラスが非常に不安定な状況に陥りました。
米10年債利回りが一時1.5%を下回るまでに低下したことで、金のスポット価格は1790ドル/オンスと若干下降しました。
金のようなクッションがなかった他の主要な資産クラスでは、ダメージがさらに大きくなっています。
原油は、今年最大の下げ幅を記録し、米国の主要な3つの株式指数はすべて2%以上の引き下げとなりました。

金取引の観点から見ると、原油価格の急落は、当初金よりも大きな打撃を受けた銀価格を含む商品バスケット全体の急落に対応していたことが注目されます。
全体的な商品市場の下落に引きずられて、今週の金の反発の可能性は低くなるかもしれません。
また、金の見通しにとって重要なのは、金曜日に市場で見られたFRBの政策に対する予測の変化です。
世界中の投資家が混乱しているため、先物トレーダーは2022年の最初の利上げのコンセンサスを6月から9月に戻しています。
金価格への他の圧力が少しでも収まれば、このハト派的な半歩が金にとってある程度の追い風になるかもしれません。

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Author: learncycletrading
商品先物・FX・株価指数で独自テクニカル分析(サイクル分析、フィボナッチ分析、プライスアクションなど)・資産管理手法を用いて相場分析を行っています。

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