ロールリバーサル (Roll Reversal)をマスターする方法【ケーススタディ】

ロールリバーサル (Roll Reversal)をマスターする方法【ケーススタディ】

テクニカル分析を使用する多くのトレーダーは、「破られたサポートラインが将来の抵抗ラインになる」または「以前のレベルの抵抗ラインがサポートラインになる」ことを示唆するフレーズを聞くことがあると思います。初心者のトレーダーにとっては、このようなフレーズは聞きなれていないと思いますが、多くの経験豊富なトレーダーでさえ、この興味深い逆転パターンを完全に理解または活用していないようです。今回説明するロールリバーサルは「トレーダーの心理」と「テクニカル分析」の両方を持ち合わせたとても重要な指標の一つです。

ロールリバーサル (Roll Reversal)とは、何度か抑えられていたサポート(支持)ラインまたはレジスタンス(抵抗)ラインを突き抜けることで、そのサポート(レジスタンス)ラインがレジスタンス(サポート)ラインに変わる現象のことをいいます。

サポート(支持)ラインとレジスタンス(抵抗)ラインの間の役割の逆転を理解するには、まずこれらの重要な概念の基本的な理解が必要です。

たとえば、ABC銘柄が過去数か月にわたって上昇トレンドラインを数回下回ろうとしたが、価格がこのラインに数回近づいたとしても、そのラインを下方ブレイクできなかったとします。この場合、トレンドラインはサポートレベルとして知られています。これは、ほとんどの投資家が快適にエントリーできると感じる価格レベルに対応しており、価格の大幅な低下を防ぐでしょう。

サポートとレジスタンスに関する最も興味深い現象の1つは、価格が最終的にブレークアウトし、特定されたサポートまたはレジスタンスのレベルを超えたときに発生します。これが発生すると、以前のレベルのサポートが役割を変更し、短期的な抵抗の新しい領域になることは珍しくありません。

図1:サポートがレジスタンスになる 上のチャートからわかるように、ラインはポイント①と②で価格の動きを支えられたことを表していますが、ポイント③と④で示すように、価格がそれを下回ると、このサポートはレジスタンスに変わったことがわかります。   それでは、実際に発生したいくつかの例を見てみましょう。   以下の図2は、実線がレジスタンスを上抜けたあと、サポートに変化したケースです。  

図2:ポンド円 日足チャート    

ロールリバーサルと各テクニカル指標の組み合わせによるセットアップ

ロールリバーサルの活用法として、単純にトレンドラインで分析することもできますが、ほかのテクニカル分析とサポートライン、レジスタンスラインを合わせて活用する方法もあります。   以下の図3は、ロールリバーサルと移動平均線のセットアップです。
実線は下降トレンドライン(レジスタンス)を上抜けたあと、レジスタンスがサポートに代わり、且つ、移動平均線がサポートとして機能し、ロールリバーサルを形成して上昇したケースです。  

図3:ユーロドル 日足チャート     以下の図4は、ロールリバーサルと移動平均線&一目均衡表先行スパン雲のセットアップです。
実線は下降トレンドライン(レジスタンス)を上抜けたあと、レジスタンスがサポートに代わり、且つ、移動平均線と一目均衡表先行スパン雲がサポートとして機能し、ロールリバーサルを形成して上昇したケースです。  

図4:東商白金 日足チャート    

このようにサポートとレジスタンスに着目することで重要な逆転パターンを確認することができます。

以上、ロールリバーサル (Roll Reversal)をマスターする方法の一例をケーススタディとしてご紹介しました。


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Author: LCT
金融商品取引業者にて投資アドバイザーとして従事。独自のテクニカル分析(サイクル分析、フィボナッチ分析、プライスアクションなど)・資産管理手法を用いた投資手法で相場に取り組んでいます。

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