石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は合意に至らず、5日に再開を予定していた閣僚級会合を中止しました。
数日間の緊迫した協議を経てもサウジアラビアとUAEの厳しい対立は解消できなかったと、複数の代表が匿名で語った模様です。
8~12月に合計で日量200万バレルの減産規模縮小(増産)を行うことで合意する一方、協調減産の期限を来年4月から同12月まで延長する案については合意に達することができなかった。アラブ首長国連邦(UAE)が減産量の算定基準となる自国の「基準産油量」が低過ぎると引き上げを要請し、減産合意の期限に難色を示していた。また、2日に合意されていた8~12月期の減産規模縮小の合意も白紙に戻ったとの報告もあるようです。
これにより、北海ブレント原油先物は5日、会合中止と伝わった後に急伸し、2018年以降で初めて一時1バレル=77ドルを超えました。
エナジー・アスペクツの共同創業者でチーフ石油アナリストのアムリタ・セン氏は、「サウジアラビアとUAEは外交や経済、安全保障を巡る政策や、原油政策自体に関する見解の溝を深めており、これが今後のOPEC協議を複雑にするだろう」と分析。「現物市場が極めてタイトな局面で8月は追加供給なしとなった」ことから、原油相場はバレル当たり90ドル超まで容易に急騰する可能性もあると指摘しています。
また、米国エネルギー情報局(EIA)は、6月30日に、COVID-19が石油在庫を枯渇させたことを明らかにしています。その結果、供給の遅れは価格にさらに上昇圧力をかける可能性があります。バンクオブアメリカのグローバル商品およびデリバティブの責任者であるフランシスコブランシュは6月21日、クライアントに次のようなレポートを出しています。「石油価格の上昇に向けた準備を整えています。」「石油が1バレルあたり100ドルに押し上げられる可能性があります。」、ブレントは100ドルに達すると予測され、WTIは95ドルに達すると予測しているようです。
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